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続・BUMP OF CHICKENとsyrup16gが好きなあなたに読んでほしい

BUMP OF CHICKEN syrup16g

夢って何だろう。叶った方がいいのか、叶わなくてもいいのか。

BUMP OF CHICKENの「分別奮闘記」とsyrup16gの「夢」を聞くと、どっちなんだろうと、不安定に揺れ動く。

ゴミも夢も、生活から生まれて、捨てられる。今回はそんな共通項を思い起こさせる二曲を比較しようと思う。

この二曲、まず「不燃物」をどう描くかが違う。

バンプは不燃物を夢だとして「信念」を見ている。他人によって燃やせず、灰になることもない夢。意志の宿っている夢を、燃やせないと表現している。

一方シロップは、不燃物に「揺らぎ」を見ている。煮詰まり、妥協して生み落とされ、最後に灰になって消えることもない中途半端さ。誕生してから消滅するまでの過程、言ってしまえば「燃えないゴミ」の存在自体が不完全燃焼なのだ。

シロップの歌う「燃えないゴミ」って何の比喩なんだろう。ストレートに夢の比喩なのだろうか。歌詞カードだと「燃やせないゴミすら/(改行)夢」ってなってて曖昧だ。

次に、夢を叶えるという行為について。

叶わなかった夢は叶わなかったまま残しておけばいい。夢を捨てたり忘れたりして、なかったことにしたり、恥じたりしなくても良いじゃない、と歌うバンプ

夢は不燃物なのか、粗大ゴミなのか。そして捨てるのか、夢として取っておくのか。これらは全て自分の捉え方と選択によるもの。他人に「燃えるゴミ」って紙貼られたって、自分には燃やして灰にできない夢だったりするんでしょう。

諦めたい、忘れたい夢を「ゴミ」になる寸前のところで「夢」に分別し直すドラマである。

でも、夢って本当に叶ったら、人生どうなるんだろう。その問いを突き詰めて諦観に突き当たったのがシロップだろう。

夢を叶えてしまったことで、欲を失って、生きることに期待しなくなった心情を表現するシロップ。叶わないこと、一生手が届かないと思っていたものを手に入れたときの脱力感。

このあたりは、BUMP OF CHICKENプラネタリウムにも似通った描写がある。

やめとけば良かった
当たり前だけど 本当に届いてしまった
この星は君じゃない 僕の夢
本当に届く訳無い光
でも 消えてくれない光

叶わないからこそ、ずっと追いかけていられて、生きていける。理想は理想のままで、ずっと夢を見ていられる。

叶わないと言われる夢でさえ叶ってしまったら。本当に何もかも満たされてしまったら、生きるのが平坦になるだけなのかもしれない。

夢を持ち続けること。生に貪欲であること。この二曲を比較してみると、夢を追い求めて幸せになろうとする行為自体が幸せなのだ、という考えすら浮かんでくる。人は、求めるものや望むものがあってこそ、強く生きていられるんだろうか。

こんな解釈をしてみましたが、どうでしたでしょうか。バンプもシロップも、受け取り手に残された余白の広さが魅力的だなあ、とつくづく思います。