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TYCHO JAPAN TOUR 2017@品川プリンス ステラボール

どこか広大な、地球の生命力そのものが感じられるような場所にTychoは連れて行ってくれる。まるで壮大な自然の中にいるような気持ちになる音楽。空、海、大地が見えなくとも、音楽だけで大自然を、地球に宿る生命力を想像することがあっただろうか。

ふわふわして夢見がちな音だけれど、芯にひんやりしたものや、力強いエネルギーの渦を感じる。時にグワッと襲い来るようなうねりを生み出す。Tychoは気まぐれみたいな音で、フロアを魅了していた。ステージ上下左右一杯に張られた紗幕には、飛行機の窓から見えるような雲海、赤い肌のごつごつした岩山、白く波立った海、隙間なく緑色の葉っぱが茂る森林、黄金色の光の中を飛翔する渡り鳥、などなど、ナショナルジオグラフィック的な映像が、楽曲に合わせて映し出されていた。東京公演より前に、公式Twitterに「Tychoのイメージってこんな感じだよね?」っていうのをドンピシャ当てられたようなVJの写真が投稿されていたのを見て期待していたけれど、本当に美しかった。雰囲気のある静止画や凝ったライティングよりも、映像のハマる音楽だと感じた。

時には幾何学的な模様や、そのバックにブロンドの髪の女性が映っている映像も流れて、映像は常に移り変わっていた。Awakeのジャケットの丸いマークも終盤で登場し、横に区切られたグラデーションの色が、電光掲示板によくあるように一枠ずつズレていって動きを出していたり、かと思えばEPOCHのデザインが、一曲終わるとデーンと幅の広い紗幕に映し出されたりと、遊泳と休息を繰り返して目的地に向かっているかのような気分になる。

Tychoをライブで見て気づいたことは、リズムの複雑さ。家で流しているときはあまり意識していなかったのだけど、いざ生音で体を揺らして楽しもうと思ったら意外とノるの難しかった。自分が8ビートのロック育ちだからっていうのもあるとは思うけど、リズムパターンが一筋縄ではないのだなと気づく。ふわふわと真っすぐに飛んでいるカモメが、時々翻って遊ぶみたいな軽やかさで、ひねりを加えて緩急がついている。前座でDJもしてくれたRoryはタダモノではないドラマーだというのが素人目にも感じ取れた。

前座のDJは、様々なノリのトラックをプレイしてくれたように感じた。キメのところが初聞きでも分かりやすかったのもいくつかあった。エネルギー大爆発でアゲにアゲる、踊らせるっていう感じじゃなく、じわーっと、踊るところは低音強めのトラックを流してみたいな、こういうのを所謂ミニマルテクノっていうのだろうか。紗幕には、黒に蛍光色の緑で、3D断面図のような立体的なものが描かれていたり、波形のようなものがゆらゆらしていたりとこちらもミニマリズム溢れる演出だった。

自分はアンビエントエレクトロニカといったジャンルを聞き漁ってtychoにたどり着いたというわけではなく、タイコクラブのようなフェスに通っているわけでもなく、サカナクション経由で知ったクチである。まだまだ勉強中だけれど、Tychoの高揚感の種類というものは他にないものだと感じる。良い景色を見たり、良い空気を吸ったときに満たされる、癒しも含んだ高揚感なのだ。高校の授業でやったタオイズムっていう言葉が浮かんでくるような、生命宇宙の根源のような、大地そのもののエネルギーをTychoの音楽から感じる。だから新年一発目に何を聞くか?って悩んだとき、Awakeを選んだし、2017年ライブ始めも結果的にTychoになった。流れ出ていく生命力を音で補完する、Tychoを聞くという行為は自分にとってそういう意味合いを持つ。

余談だけど、開演前SEも上質だった。こちらもどうぞ。
Bibio=山口一郎さん、みたいなところある。Tychoも来てたんかな?

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